連載小説:夜に逢いましょう3

土日は基本ノベルはお休み。と言うことで、小説を。
普通は逆な気もしますけどね;
夜は写真も載せようかと思ってます。




その日の夜。
「んん・・・・・・」
暑い。寝苦しい。
やはり同じ時間に目が覚める。
昨日と同じように流しで水を飲み、外を見る。
「今日も明るいな」
昨日ほど新鮮さは感じなかった。
だが、こんな夜は1日だけじゃないんだな、と実感する。
「さて、どうするか・・・・・・」
何も無ければ悩まずに寝ている。
毎日夜出歩くほど、暇を持て余している訳でもない。
第一、こんな夜中に田舎道を男一人で出歩いていれば、変質者と間違われかねない。
でも・・・・・・。
また来てよと言った少女。
気にならないと言えば嘘になる。
・・・・・・。
「一応、行ってみるか」
彼女が毎日居るとは思っても信じても無いが、気になって眠れそうも無かった。
外へ出て真っ直ぐに昨日彼女に出会った場所へ行く。
10分ほど歩いてそこへ辿りついた。
相変わらずバイパスはこんな時間でも車の通りはあるようだ。
辺りを見回す。
当たり前だが昼間見たときよりも、視界は悪い。
月と街灯の明かりが頼りだ。
とは言っても、街灯は離れた間隔にしかない為、遠くまでは見渡せない。
近くの街灯まで来ると、ここにも昼間に置いてあった瓶と同じものが置いてある。
「なんだろうな・・・・・・?」
「や。早速来てくれたんだ」
「っ!」
瓶を見ていると不意に声を掛けられる。
驚いて振り向けば、そこには昨日の夜出会った彼女の姿。
歳とかそこまで気にしなかったが、見た感じ僕と同じくらいだと思う。
「なんか昨日と出会い方が似てるね」
そう言って彼女は笑う。
結構可愛らしい笑い方だ。
「いきなり後ろから声掛けられたら、流石にね」
「まぁ、そっか。でも来るにしても数日、間があるかと思ってたんだけどな」
「来ない、とは思わなかったんだ」
「まあね。またって言った時点で空君なら来るでしょ?」
「まぁ、確かにそうだけど。僕のことよく知ってるみたいな言い方だね」
「それはないなぁ。実際昨日初めて会った訳だし」
「何となくそんな感じがしたから、だね。結構人を見るのは得意なんだよ」
「ふーん。そんなもんなのかね」
「そんなもんなんですよ」
凛はどうも掴みどころが無い。
「で、いつもここに居るんだろ?」
気になっていたことを聞いてみる。
「まあね」
「昼間も一応来てみたんだが、そのときは居なかったぞ?」
「え? 昼間も来てたんだ。でも、私だって一日中ここに居る訳じゃないよ」
「私もそんな暇じゃないし。炎天下の中何も無いとこに居たって、倒れちゃうだけだしね」
「まぁ、それもそうか・・・・・・」
「昼間は涼しいところを求めて彷徨っているのです!」
「いつも出歩いてるのかよ。家にクーラーないのか?」
「うん、無いね・・・・・・」
「?」
途端に彼女の顔が暗くなる。
しかし、それも一瞬のこと。すぐにいつもの明るい顔に戻る。
「にゃはは、どこに居ても暑そうだからさー。お店とかに避難してるのですよ」
「なるほどな」
「今日は本屋で新刊チェックしてたんだー。立ち読みだけどね」
「冷やかしか。質悪いな」
「いいのいいの。立ち読みなんてしてる人いっぱい居るんだから!」
そう言ってニッっと笑う凛。
しかし、僕には先程の暗い顔が気になっていた。
何か隠している事がありそうなんだが・・・・・・。
ま、本人が話さなければそれでいいのかもしれない。
そんな風に思って自分を納得させた。
「さて、もういい時間だ。僕はそろそろ帰るかな」
「おっと。もうそんな時間なんだね」
「昨日は言わなかったけど、家まで送るか?」
「ん? いいよいいよ。大丈夫」
「そうか? 別に僕のことは気にしなくても・・・・・・」
「い、いや。大丈夫だから・・・・・・」
「あ、あぁ。分かった」
また暗い顔をする。何なんだろう?
「明日。明日また来てくれたら、ちょっと話したいことがあるんだ」
「いいかな?」
話したいこと。それはその暗い顔と関係があるのだろうか。
「・・・・・・分かった」
「それじゃ、また明日の夜に」
そう言って昨日と同じように去っていく。
明日一体何を言われるのだろう。
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by shio120 | 2010-07-31 15:20 | 小説 | Comments(0)  

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